群青の間・書見の間

格式のある階下の書院に対して、階上は意匠を凝らした数奇屋風書院の造りです。
群青の間とそれに続く書見の間は、階上における最も重要な空間でした。
天井は折上天井とし、素材の杉柾を目違いに張り、蛇腹および目地にはウルトラマリンブルーという西欧より輸入された顔料を使用した群青が特異な意匠となっています。
群青の間では、天井の群青から壁に朱を用いた色鮮やかなお部屋となっており、床の間は洞床と云われる踏込床で、左側には1畳の板畳が付いています。

群青の間より続く書見の間も意匠を凝らした数奇屋風書院の造りで、1畳の上段を設けた付書院の内側には机用の板が跳ね出され両側には火燈窓が付けられています。群青の間の様に折上天井の蛇腹および目地には白群青、壁は紫、床壁は鉄砂と、床柱、ギヤマンなど小さな空間を意匠が縦横に飛び交っています。

杉の丸太を彫りこんで木目を大胆に意匠化した床柱です。戸袋にも焼杉、虫喰いを用いるなど、階上は色彩・材質・形状の大胆な採用と調和に心が尽くされています。